gallery nude


 ギャラリー・アトリエ併用住宅
この建築の形態は「美術作品と共に住みたい」という建主のライフスタイルと、「年間を通して寒暖の差の激しい気候」より導かれている。
建主は地元で美術教育にも携わるグラフィックデザイナーで、以前より前橋周辺に美術作品を身近に体感できる空間や若手作家の発表の場が無いことを嘆いており、家を建てる際には小さくても良いからギャラリーを持ち、自ら作品に囲まれた生活がしたいとのイメージを描いていた。
そこで、建物全体で展示壁面を確保すべく、コの字型の壁面を向かい合わせて配置し、屋根と天井の間にハイサイドウインドウを設けて、それらの隙間から住空間用の採光と通風を確保する構成としている。
さらに、軒の出や開口部の配置を工夫し、できるだけ設備に頼らないパッシブな熱環境を導びくことで、風土に呼応するシンプルなかたちを探ると共に、床や建具等人が接する部分は天然素材とすることで、白さが維持される展示壁面と差別化し、利用の痕跡が美しく積み重ねられることを期待している。