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 終日、美容室店内で過ごす夫婦の希望は、「屋内に居ながらにして季節や天候等の環境変化を感じられるリビングのような空間」であった。計画にあたり課題となったのは、厳しい北関東の自然環境に対して、シェルターとしての機能を維持しながら、如何にして外の環境変化を取り込むかであった。
思考の末、提案したのは、季節・時間で移動する太陽に呼応し膜天井に光を映すシステムである。トップライト下の穴空きボードにより円形にカットされた光は格子梁の側面に貼られた鏡に反射し、太陽の移動に呼応して膜天井や壁の上を形を変えながら移行する。
そこでは、直射日光、反射光、透過光、空の色、照明光が重なり合い、光は季節・時間・天候によって様々に変化し、内部空間に一期一会の現象が生まれる。
また、この天井システムは空調スペースとして機能し、寒暖差の厳しい外部環境とのバッファーゾンとして、季節毎に室内の熱環境を調整している。